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失踪宣告と認定死亡はどこが違うのか?

Q.失踪宣告と認定死亡はどこが違うのか?

A.手続をする主体,要件のほか,認定死亡の場合には死亡を推定するにすぎないのに対し,失踪宣告の場合には死亡したものとみなすという相違がある。



失踪宣告・・・

【民法 第31条】
前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に,同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に,死亡したものとみなす。


失踪宣告とは,ある一定の要件を満たした場合に失踪宣告を受けた人が死亡したものとみなす,という制度です。 失踪宣告は,家庭裁判所の審判によってなされます。



認定死亡・・・

【戸籍法 第89条】
水難,火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には,その取調をした官庁又は公署は,死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し,外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは,死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。


【戸籍法 第91条】
前2条に規定する報告書には,第86条第2項に掲げる事項を記載しなければならない。


認定死亡とは,要するに,死亡した可能性が極めて高いという推測に基づいて,ある人が死亡したことを推定するという制度です。 認定死亡の場合には,官公庁の報告に基づいて戸籍簿に死亡の時期が記載されることになります。

戸籍簿への人の死亡の記載は,原則として,医師作成の死亡診断書や検案書に基づいてなされます。

もっとも,水難や火災などによって死亡した可能性が極めて高いものの,遺体が発見されず,診断書等を作成できないという場合があり得ます。 この場合には,「認定死亡」という制度が用いられ,死亡届ではなく調査にあたった官公庁によって死亡の報告がなされます。



失踪宣告と認定死亡の違い・・・

失踪宣告も認定死亡も,本当に人が死亡したのかどうかは分からないが,死亡した蓋然性が高いという理由から,一定の要件を満たす場合に,その人が死亡したものとして取り扱うという点では共通しています。

前記の各条文のとおり,当然両者の要件は違いますし,それぞれを決定する機関も家庭裁判所と行政機関と違いがあります。

しかし,もっとも根本的な違いは,失踪宣告は死亡したものと「みなす」というものであるのに対し,認定死亡は死亡したことを「推定する」ということです。

どう違うのかというと,認定死亡は「推定」ですので(こういう規定のことを「推定規定」といいます。),反対の証拠を提出すれば覆すことができます。 生きているという証拠を出せば,認定死亡は効力を持たなくなるのです。

ところが,失踪宣告は「みなす」ものですので(こういう規定のことを「みなし規定」といいます。),反対の証拠を提出しても覆すことができません。

したがって,失踪宣告による死亡という効力を覆すためには,別途,失踪宣告の取消しの手続きをとらなければなりません。

例えば,Aさんが生死不明になり,認定死亡又は失踪宣告に基づいてAさんの財産がBさんに相続されていたところ,Aさんが生存していたとします。

この場合,認定死亡であれば,BさんがAさんに対して認定死亡があるから,財産は自分のものになったと主張しても,Aさんが生きていることを証明すれば,BさんはAさんに即座に財産を返さなければいけません。

ところが,失踪宣告の場合には,BさんはとりあえずAさんに財産を返す必要はありません。 Aさんが財産を取り戻すためには,失踪宣告を取り消す審判を受けなければいけないからです。




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失踪宣告とは?

Q.失踪宣告とは?

A.特定の要件を満たす場合に,失踪宣告を受けた者が死亡したものとみなすという制度のことをいう。



失踪宣告・・・

【民法 第31条】
前条第1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に,同条第2項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に,死亡したものとみなす。


自然人の権利能力の終期は,「死亡」です。 人は死亡すると,権利能力を失うのです。

もっとも,死亡と言っても,自然の死亡,つまり生物学的な死亡だけでなく,人為的というか,法的な意味での死亡というものもあります。

それが失踪宣告制度です。 すなわち,ある人に対して失踪宣告がなされると,その人は死亡したものみなされることになる,という制度です。

本当は死んでいないのかもしれないけれども,生きているか死亡しているかどうかを確かめることができないため,法律上,その人は死亡したものとして扱おうというのが失踪宣告の制度なのです。



失踪宣告制度の趣旨・・・

どうしてこういう制度があるのかというと,それは残された人たちのためです。

人の死亡は権利能力の終期ですが,その他にも重大な問題があります。 特に,相続です。 相続の開始原因は,人の死亡とされています。

ある人が生死不明となった場合,そのままでは死亡したと確定することはできませんから,当然,相続は開始されません。

しかし,これでは法律関係がいつまでも確定しないままになってしまいます。 どこかで法律関係あるいは身分関係を確定させなければなりません。 生死不明の人に財産があるような場合にはなおさらです。

そこで,ある人を死亡したものとみなすことによって,その人に関わる法律関係を確定させるために認められているのが失踪宣告なのです。

そういう意味では,失踪宣告は相続との関係で特に重要性を持っていると言えますが,もちろんそれだけに留まりません。 契約関係や遺族に対する公的給付などの関係でも意味を持つ制度です。




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住所・居所とは?

Q.住所・居所とは?

A.住所とは,生活の本拠のことをいう。 住所が知れない場合には,居所が住所とみなされる。



住所とは・・・

【民法 第22条】
各人の生活の本拠をその者の住所とする。


住所とは,人の生活の本拠のことをいいます。 生活の本拠とは,その人の生活の中心となる場所のことです。

住所は,裁判所の管轄の基準となったり,債務履行の場所の基準となったりと,民法上いろいろな事柄の基準となるだけでなく,その他の法律や行政上も重要な基準となっています。

現代の生活環境においては,いろいろなところに生活の本拠といえるような場所があるという人がいるかと思いますが,判例は,それでも住所は1つであると判断しています。

他方,学説では,上記のような現代の生活環境を踏まえ,1人の人に複数の住所があることがあり得るとするのが多数説となっています。



居所とは・・・

【民法 第23条】
1 住所が知れない場合には,居所を住所とみなす。
2 日本に住所を有しない者は,その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず,日本における居所をその者の住所とみなす。ただし,準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は,この限りでない。


上記のとおり,住所はさまざまな場面で基準とされることが多いのですが,住所が分からない,又は住所と呼べるものがないという場合はどうなるのでしょうか?

この場合,居所が住所とみなされ,そこが基準となります。

外国に住所はあるが,日本に住所がないという場合も,日本における居所が日本における住所とみなされます(ただし,法律で特別に住所を定めるような法律がある場合には,そちらの法律が優先されますから,その法律が定めている場所が住所となります。)。

居所とは,文字どおり居るところです。

例えば,ホテル住まいなどであれば,そこは居所です。 他に住所がないとすれば,そのホテルの場所が住所とみなされることになります。




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プロフィール

シンマイ01

Author:シンマイ01

現在,東京都立川市で,LSC綜合法律事務所という個人の方・中小企業の方を対象とした法律事務所を経営している弁護士です。


法律問題,特に民事の問題でお悩みの方は,当ブログや姉妹ブログ,事務所のHPをご覧ください。もちろん,ご相談もお受けします。お気軽に,LSC綜合法律事務所までお問い合わせください。お待ちしております。


Takashi Shiga

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