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不法行為における故意・過失とは?

Q.不法行為における故意・過失とは?


A.故意とは,損害の発生を認識していながらこれを容認して行為する心理状態をいう。 過失とは,損害が予見できたにもかかわらず,その予見できた損害を回避べき義務を怠ったことをいう。



過失責任の原則・・・


不法行為が成立するためには,権利侵害行為がなされることが必要となりますが,ただの権利侵害行為ではありません。


わざとでもなければ,何らの不注意もないのに相手方の権利を侵害してしまうということは,あり得る話です。


若干極端な例ですが,例えば,Aさんが道を歩いていた途中,いきなり後ろから何者かに殴られたため意識を失い,倒れこんだところ,ちょうど倒れこんだ先に歩いてきたBさんにぶつかり,Bさんはその反動で転倒して怪我をしてしまいました。


この場合,AさんがBさんに対して治療費等の損害を賠償しなければならないというのは,明らかに不自然,不合理です。


近代の民法は,自由主義をとっています。 つまり,個人の行為は原則として自由であるから,基本的には何をやっても許されるはずです。 しかしそれではその自由な行為によって損害を被った人に不利益であるし,社会の治安も守られません。


そこで,少なくとも,その自由な行為が故意または過失によって行われたような場合に限っては,その行為によって損害を被った人に対して法的な責任を背負うべきと考えることができます。 これを,「過失責任の原則」といいます。


我が民法もこの過失責任の原則を採用しており,そのため,不法行為の要件として,「故意または過失」が必要とされているのです。



故意・・・


「故意」というと,相手に損害を与えたやろうという意志のような意味に思えますが,法律上はそこまでの強い意味は持っていません。


法律上「故意」と言う場合は,損害の発生を認識していながらこれを容認して行為する心理状態をいうとされます。


つまり,損害が発生するかもしれないが,そうなってもかまわないと考えていることを故意というのです。 必ず損害を発生させてやる,というほどの強い意志は必要とされていないのです。


ただし,損害が発生することを認識していることは必要ですので,明らかに損害が発生することを認識していないと言えるような場合には,故意があったとまではいうことはできません。



過失・・・


損害発生の認識があったとまではいえないものの,注意すれば結果発生を認識できたはずであるという場合,言いかえれば,不注意によって損害を発生させてしまった場合には,「過失」があるとして責任を負うことがあります。


社会の一員として暮らしている以上,他人の権利や利益に対して無関心であることは許されません。 それぞれの立場において当然しなければならない注意を怠った場合,それによって他人に損害を与えたときは,やはりその不注意に関して法的な責任をとらなければならないでしょう。


すなわち,「過失」とは,現在では,損害が予見できたにもかかわらず,その予見できた損害を回避べき義務(結果回避義務)を怠ったこと(これを総じて「注意義務違反」ということがあります。)を「意味するとされます。


簡単に言うと,過失とは,不注意なことをすれば特定の損害が発生してしまうということが予測できたのに,その特定の損害が発生するような不注意な行為をしないようにちゃんと注意することを怠けてしまったこと,といえます。




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シンマイ01

Author:シンマイ01

現在,東京都立川市で,LSC綜合法律事務所という個人の方・中小企業の方を対象とした法律事務所を経営している弁護士です。


法律問題,特に民事の問題でお悩みの方は,当ブログや姉妹ブログ,事務所のHPをご覧ください。もちろん,ご相談もお受けします。お気軽に,LSC綜合法律事務所までお問い合わせください。お待ちしております。


Takashi Shiga

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