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不法行為における損害とは?

Q.不法行為における損害とは?


A.財産的損害と精神的損害を含む。不法行為がなかったならば維持されていたであろう被害者の財産状態と不法行為後の被害者の財産状況との差額を損害として捉えるという考えが基本的に採用されている。



損害


不法行為が成立するためには,「損害」が発生していなければなりません。例え故意過失に基づく権利侵害行為があったとしても,被害者側に損害が生じていなければ不法行為責任を追及することはできません。


民法710条に規定されているとおり,財産以外の損害に対しても不法行為責任が成立します。したがって,ここでいう損害には,財産的な損害と精神的な損害とが含まれるということになります。


精神的な損害の賠償とは,いわゆる慰謝料と呼ばれるものです。つまり,精神的な不愉快や苦痛を被ったことに対する賠償が慰謝料というわけです。



損害の考え方


損害の考え方については諸説ありますが,判例は「差額説」と呼ばれる考え方を採っていると考えられています。


差額説とは,すなわち,不法行為がなかったならば維持されていたであろう被害者の財産状態と不法行為後の被害者の財産状況との差額を損害として捉えるという考えです。


簡単に説明しますと,例えば,ある被害者のもとに不法行為前は100万円の財産がありましたが,不法行為によってその財産が20万円となってしまったという場合,損害は100万円と20万円との差額の80万円であると考えるということです。


もっとも,差額説は説明として明確ですが,精神的損害を上手く説明できないのではないかとか,逸失利益など将来的な損害を説明できないのではないかという批判もあります。そこで,差額ではなく,単純に発生した事実を基礎として損害を考えるべきであるという損害事実説という考え方が生まれました。


この損害事実説によれば,単純に精神的苦痛という事実や利益を逸失したという事実だけを考えればよいということになります。


現在の判例は,この損害事実説的な考え方も併せて採用しているとも言われています。


実務では,正直上記のような学説の区別はそれほど重視されていないと思いますが,個々の損害額を主張立証していく形で裁判が進んでいくので,どちらかというと損害事実説的な運用がなされているように思われます。


ちなみに,慰謝料は金銭的評価が難しいため,裁判例などの蓄積によって,算定金額についての一定の相場が一般的に用いられています。


特に,交通事故における慰謝料の算定表が,その他の事件の慰謝料についても参考とされることが多いです。





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不法行為における行為と損害との因果関係とは?

Q.不法行為における行為と損害の因果関係とは?


A.前提として行為と損害との間に「あれ無ければこれ無し」の関係が必要となるが,それだけではなく,行為と損害との間に,社会通念上相当といえる関係がなければならないと考えられている。



因果関係の必要性


不法行為責任が成立するためには,故意又は過失による権利侵害行為と損害との間に「因果関係」がなければいなりません。民法709条の条文上は,「これによって生じた」という文言で表されています。


簡単に言うと,ここでいう因果関係とは,故意又は過失のある権利侵害行為によって,その損害が生じたと言えるという意味です。


いくら権利を侵害する行為があったとはいっても,その行為からその損害が生じたと言えない場合にまで損害賠償を認めるというのは,損害の公平な分担という不法行為の趣旨を害します。そこで,因果関係のある場合にだけ損害賠償を認めるとしているのです。


いいかえると,因果関係というものは,不法行為の範囲が無限定に拡大するのを防止し,その範囲を限定する意味を持っているということも言えます。



相当因果関係


因果関係と一言で言っても,その内容についてはいろいろな考え方ができると思います。


もっとも,単純な考え方は,いわゆる「あれ無ければ,これ無し」という考え方です。この考え方は,因果関係をかなり広く認める考え方です。条件関係(事実的因果関係)とも呼ばれます。


よく言われる事例ですが,例えば,AさんがBさんを殴り怪我をさせ,Bさんが救急車で病院に運ばれました。その搬送中に雷が救急車に落ち,Bさんが大やけどをしました。上記の条件関係の考え方によれば,このような場合にも,AさんがBさんを殴らなければ,落雷を受けた救急車に乗ることはなかったので,Aさんの殴打行為とBさんの大やけどには因果関係があるということになるでしょう。


しかし,これはちょっと行きすぎであるというのはお分かり頂けるでしょう。因果関係はあまりに広く考えすぎると,はっきり言って,何でもかんでも因果関係が認められてしまうおそれがあるのです。


もっと極端な例で言うと,AさんがBさんを殴り,殴られたBさんがイライラしてCさんを殴り,Cさんが負傷した場合にも,Aさんの行為とCさんの負傷には因果関係があるということになってしまうこともあり得るのです。


もちろん,条件関係さえ無いような場合には因果関係が認められることはありません。その意味で,条件関係は因果関係の最低限の基礎となると言えます。しかし,これのみをもって,不法行為における因果関係ありとしてしまうことは,あまりにも不法行為が成立する範囲を広げ過ぎてしまいます。


そこで,不法行為における行為と損害との間の因果関係は,条件関係を基礎としつつも,ある程度,損害の公平な分担という趣旨に沿うように限定する必要が出てくるということになります。


ここで考えられた理論が「相当因果関係」と呼ばれる理論です。すなわち,行為と損害との間に「社会通念上相当」と認められるような関係がある場合にだけ,不法行為における因果関係を認めようという理論です。つまり,その行為をすればその損害が生じることは通常想定できるという場合にだけ不法行為における因果関係を認めようという考え方です。


現在の学説における通説であり,最高裁判所の判例も,やや条件関係のみによる判断に近いとはいえ,相当因果関係説を採用していると考えられています(ただし,近時は有力な学説が提唱されています。)。





プロフィール

シンマイ01

Author:シンマイ01

現在,東京都立川市で,LSC綜合法律事務所という個人の方・中小企業の方を対象とした法律事務所を経営している弁護士です。


法律問題,特に民事の問題でお悩みの方は,当ブログや姉妹ブログ,事務所のHPをご覧ください。もちろん,ご相談もお受けします。お気軽に,LSC綜合法律事務所までお問い合わせください。お待ちしております。


Takashi Shiga

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