不当利得の効果(不当利得返還請求権)とは?
Q.不当利得の効果(不当利得返還請求権)とは?
A.受益者には損失者に対して不当利得を返還する義務(不当利得返還請求義務)が発生し,その反面,損失者には受益者に対して不当利得を返還するように請求する権利(不当利得返還請求権)が発生する。 この場合,善意の受益者は現存利益だけ返還すればよいが,悪意の受益者は,受けた利益の全部及びこれに対する利息を付して返還しなければならない。
不当利得の効果(不当利得返還請求権)・・・
不当利得が成立すると,受益者は,損失者に対して利得を返還する義務を負うことになります。 これを不当利得返還義務といいます。
他方,受益者が不当利得返還義務を負うということは,損失者は,受益者に対して利得を返還するように請求する権利を持つということになります。 これを不当利得返還請求権といいます。
返還すべき利得の範囲・・・
では,どの程度まで不当利得の返還を請求できるのかというと,原則として,全部の利得の返還を請求することはできず,「利益の存する限度」においてのみ返還を請求できるものとされています。
「利益の存する限度」とは,要するに,利益のうちで現在残っているもの,という意味です。 これを「現存利益」といいます。 逆に言うと,現在残っていないものは返還を請求できないのです。
悪意の場合の返還すべき利得の範囲・・・
原則としては,上記のように現存利益のみしか返還請求できないのですが,受益者が「悪意」であった場合は違います。
受益者が悪意であった場合には,受益者が受けた利得全部の返還を請求できます。 しかも,その利得に利息も付けて返すように請求できるのです。 さらにそれだけではなく,損失者に損害があれば,損害の賠償も請求できます。
この「悪意」は,言葉だけ聞くと,積極的に損害を与えてやろうという意思のようにも聞こえます。 しかし,法律上「悪意」という場合は,ちょっと意味合いが違います。
法律上「悪意」という場合は,「知っている」という意味で使う場合が多いのです。 これとは逆に,「知らない」場合を「善意」といいいます。
つまり,受益者が自分の利得が不当利得であることを知っていた場合には,「悪意」ということなります。 そして,この場合には,受けた利益の全部に利息を付けて返すように請求できるのです
したがって,まとめると,善意の受益者は現存利益だけ返還すれば足りるが,悪意の受益者は利得の全部とこれに対する利息を返還し,さらに場合によっては損害賠償も支払わなければならないということになります。
現金の特殊性・・・
お金は価値として考えられています。 特定のお札やコインそのものが返還請求の対象となるわけではないのです。
例えば,泥棒がAさんから100万0000円盗みました。 1万円札で100枚であったとしましょう。 ところが泥棒はそのお札を全部使ってしまいました。 しかし,泥棒は別のお札100枚で100万0000円を持っています。
この場合,Aさんのお札はもう現存していません。 しかし,お金は価値として考えますから,盗んだお札そのものではないとしても,「100万0000円」を持っていることには変わりません。
したがって,泥棒が100万0000円持っている以上,Aさんは100万0000円の返還を求めることができるのです。
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A.受益者には損失者に対して不当利得を返還する義務(不当利得返還請求義務)が発生し,その反面,損失者には受益者に対して不当利得を返還するように請求する権利(不当利得返還請求権)が発生する。 この場合,善意の受益者は現存利益だけ返還すればよいが,悪意の受益者は,受けた利益の全部及びこれに対する利息を付して返還しなければならない。
不当利得の効果(不当利得返還請求権)・・・
【民法 第703条】
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け,そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において,これを返還する義務を負う。
不当利得が成立すると,受益者は,損失者に対して利得を返還する義務を負うことになります。 これを不当利得返還義務といいます。
他方,受益者が不当利得返還義務を負うということは,損失者は,受益者に対して利得を返還するように請求する権利を持つということになります。 これを不当利得返還請求権といいます。
返還すべき利得の範囲・・・
では,どの程度まで不当利得の返還を請求できるのかというと,原則として,全部の利得の返還を請求することはできず,「利益の存する限度」においてのみ返還を請求できるものとされています。
「利益の存する限度」とは,要するに,利益のうちで現在残っているもの,という意味です。 これを「現存利益」といいます。 逆に言うと,現在残っていないものは返還を請求できないのです。
悪意の場合の返還すべき利得の範囲・・・
【民法 第704条】
悪意の受益者は,その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。 この場合において,なお損害があるときは,その賠償の責任を負う。
原則としては,上記のように現存利益のみしか返還請求できないのですが,受益者が「悪意」であった場合は違います。
受益者が悪意であった場合には,受益者が受けた利得全部の返還を請求できます。 しかも,その利得に利息も付けて返すように請求できるのです。 さらにそれだけではなく,損失者に損害があれば,損害の賠償も請求できます。
この「悪意」は,言葉だけ聞くと,積極的に損害を与えてやろうという意思のようにも聞こえます。 しかし,法律上「悪意」という場合は,ちょっと意味合いが違います。
法律上「悪意」という場合は,「知っている」という意味で使う場合が多いのです。 これとは逆に,「知らない」場合を「善意」といいいます。
つまり,受益者が自分の利得が不当利得であることを知っていた場合には,「悪意」ということなります。 そして,この場合には,受けた利益の全部に利息を付けて返すように請求できるのです
したがって,まとめると,善意の受益者は現存利益だけ返還すれば足りるが,悪意の受益者は利得の全部とこれに対する利息を返還し,さらに場合によっては損害賠償も支払わなければならないということになります。
現金の特殊性・・・
お金は価値として考えられています。 特定のお札やコインそのものが返還請求の対象となるわけではないのです。
例えば,泥棒がAさんから100万0000円盗みました。 1万円札で100枚であったとしましょう。 ところが泥棒はそのお札を全部使ってしまいました。 しかし,泥棒は別のお札100枚で100万0000円を持っています。
この場合,Aさんのお札はもう現存していません。 しかし,お金は価値として考えますから,盗んだお札そのものではないとしても,「100万0000円」を持っていることには変わりません。
したがって,泥棒が100万0000円持っている以上,Aさんは100万0000円の返還を求めることができるのです。
【関連書籍】
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